先日機械商社の社長が来社され、その時9月の機械受注は前年同月比の2.5倍で
その内訳は内需が29%、外需が71%

外需の中では北米向けが23%、中国向けが40%を占めていて中国依存が顕著に表われています。

今日BCCN(Business Creation & Collboration Network)からのメールで東南アジアの巨大企業に関するレポートが送られて来ました。

(その内容の抜粋です)

日本の某大手電気メーカーが今後、段階的に液晶テレビの生産を東南アジアの巨大企業(A社)に依頼します。

中国向け低価格液晶テレビは既に、このA社に製造依頼しており、A社は日本の電気メーカーの液晶テレビ海外2工場を買収しています。

LED 電球(照明)がテレビCMで紹介されていますが、日本製のLEDは性能では既に韓国に追いつかれ、価格は倍近くします。A社もLED電球の製造を始めて最初は苦戦しましたが、半導体の生産から全てを内製する事でコスト競争力が付き、中国政府への働きかけで、中国全土に事業展開する国営企業で使用するLED照明の殆どはA社が供給する事になったそうです。

A社の金型製造能力(スピード、コスト、品質)は断トツに世界一で日本のトップメーカーをも大きく引き離しています。これは全て、日本の工作機械のトップメーカー達が機械を売り込む為に指導した結果です。

A社は第一線で使用する工作機械は基本的に4年で入れ替えます。「加工技術力は決して日本人にはかなわない、それをカバー出来るのは常に最新鋭の工作機械を導入する事だ!」というトップの号令です。

スマートフォンの裏側のプラスチックケースはF社の簡易マシニングセンターで全加工していますが、この為に導入された850万円のマシニングセンターは今や1万台を越えました。

あるビジネスの日本企業の設計者は、新規開発品の設計は日本では行わずにA社に出張されます。A社の3Dキャド熟練者を借り、コンセプトだけ説明して一緒に設計させ、夜にモデリングが終ると翌朝には樹脂切削サンプルか光造形品が出来上がっていて、確認OKであれば1週間後には焼き入れ量産金型が完成し量産スタートできる。

もう家電、IT関連の日本製造業が世界で勢いを回復する事は無いと思います。
多くの日本企業が知らない中で大きな変化が起きてしまっています。

日本企業は事業を取り巻く環境も、バブル期後期と比べても大きく変わって来ていることに気が付かないで過ごしていらっしゃる。

日本の技術力がある中小企業も、未だ力が有る内に信頼できる方の御力添え、御協力を頂いて積極的に技術を求めている海外企業と、主導的立場を維持しながら提携して行かなければ将来は無いと思いますが、未だ気付いておられない会社が多いようです。

大手企業は近い将来、中小のベンダーさんの倒産多発を予測して、援助・指導するのではなく、逆にコストアップを承知で国内外の自社工場内に設備導入して、「将来の為の対応」と称して、ベンダーさんの廃業に拍車をかける様なケースが目立ってきました。

今の日本の大手企業の経営者は良き日本の義理人情も、ベンダーと一体でグループとして発展して行く事もかなぐり捨てている様に感じます。ですから、これからの中小企業は、大手企業や国を当てしないで、自力でサバイバルするしか道がないようです。

Å社の名前はわかりませんが大手企業は有効な対策を出せずにA社というブラックホールに引き込まれているだけのよう思われます。

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